なぜ五十二甲と呼ばれるのでしょう。言い伝えによると、昔ここで開墾された土地の面積が52甲あったということでこう名付けられたそうです。五十二甲湿地はその窪みのせいで一年中水が溜まり、大きな沼地が形成されているため、水田の環境として非常に優れています。そのため湿地には特殊で豊かな生態系が生まれ、鳥にとって楽園のような棲息地となっています。毎年冬には、多くの渡り鳥が餌を求めてここで越冬します。冬の渡り鳥に加えて、マガモ、フクロウ、サギなどの鳥がよく見られます。五十二甲賞鳥区(五十二甲野鳥観察エリア)ではこれまで100種以上の鳥が記録されています。特別な鳥も少なくなく、ハイイロガン、マガン、ヨシガモ、ホシハジロ、角鵬鵬、黒頸鵬鵬と呼ばれる鳥など、バードウォッチングファンには見逃せない聖地として数えられています。
バードウォッチングのほかに、近年ここは夏の花見スポットとしても知る人ぞ知る場所になっています。かつて頻繁に起こった洪水で堤防が壊れてしまったため、堤を守ろうと農家が数百本ものサガリバナを植えました。サガリバナの見頃になると、夜間に満開になる花はまるで花火のようにまばゆく、夜が更けるほどに美しいため、夏の夜のみごとな景観として多くの旅行者のお気に入りとなっています。
五十二甲湿地には四季折々の美しさがあります。一年中いつでも軽装で蘭陽をサイクリングでき、田園や湿地の風景を楽しむことができます。夏は「一夜美人」として知られるサガリバナの花火のような美しさを目にできます。秋冬シーズンには、サイクリングで秋の水田風景や自然の美しさを楽しめます。特に、冬の渡り鳥の飛ぶ様子や餌をついばむ姿をお見逃しないよう、是非、この可愛らしく優雅な空の精を訪ねてみましょう。