「結」は漢人の開墾地の基本単位です。五結郷は表面的には一枚の沖積平原が広がっているように見えますが、ここには高地や沙丘、河口、沼澤湿地といった様々な地形が見られます。蘭陽平原の東南角に位置し、蘭陽渓の河口にもあたります。農業と漁業が両方行われている漢人集落ですが、そのルーツは平埔族のクヴァラン族にあります。約千年前に蛤仔難(宜蘭)に定住したクヴァラン族の集落は36個あり、現在残っているのは流流社だけです。加禮遠など平埔族の集落は五結地区の冬山河下流の沿岸に集まっています。
五結地区は特産品である「鴨賞(鴨の薫製)」は広く知られています。そのほか、人気のレジャースポットである冬山河下流の親水公園風景区や国立伝統芸術センター、清水防潮閘門、二結の王公廟千人移廟、四結の福徳廟土地公および五十二甲の湿地保護区などがあります。クヴァラン族の遺跡以外にも日本時代やオランダ時代の建築も五結には残っています。また、閩南特有の過火(火渡り)という民俗習慣を見たい場合は、五結まで出かけてみてください。