1960年代、南方澳の漁港では漁業が繁栄し、漁船からの高い需要に応じて機械製造業が発展しました。ここでは漁船用機器の製造や漁船のメンテナンスをおこなう鉄工所が相次いで生まれました。「三剛鉄工場」は1962年に設立、現在、南方澳地区に残る漁船修理工場の中で最も古い歴史を有し、南方澳が最も栄えた年月を見守ってきました。設立は、熱心に独学で技術を習得した、職人であり仲の良い友人同士でもあった三人が「金剛」というチームを組織したことから始まります。そのため「三剛鉄鋼場」と呼ばれているのです。
後に時代の変遷と工業技術の進歩に伴い、鉄工場の営業は終了してしまいました。しかし、廖大慶夫妻が力を尽くしここを文化資産として保存することに決め、元の場所に「三剛鉄鋼場文物館」を設立しました。1、2階は1960年代の工場に関する文物館、3階を地元文化に関する小規模な文物館としました。人情味あふれる設立の背景に加えて、味わい深い文物と心を動かされる地元の物語があります。過去に思いを馳せ訪ねてくる人はたくさんの漁港の知識や昔への懐かしい思いを胸に帰宅できます。南方澳の海産品専門販売をしている通りにも、温もりや物語が詰まっています。南方澳が歩んできた時代や栄枯盛衰を知りたい方は、是非足を運んで、昔懐かしい鉄道具★や開発史を味わってみてはいかがでしょう。