南方澳のサンゴ産業はかつて世界のサンゴ産業史上において輝かしい歴史を刻みました。台湾の周辺海域には世界でもかなり少数しかない宝石サンゴがあるため、豊富に産出されるサンゴの品質はきめ細かく、色の濃淡も豊富で、生産量は世界一を誇りました。このため、南方澳はサンゴ産業において極めて重要な役割をもち、台湾全国のサンゴ産業の重要な集散センターとなっていました。
台湾のサンゴ産業のピーク時には、南方澳ではサンゴ漁船が400艘あまりに上ったとされ、当時の盛況ぶりが想像できます。現在のサンゴ漁船はわずか50艘ほどで、ここからサンゴ産業が急速に衰退したことが分かります。こうした衰退を目の当たりにし、台湾の後代の人たちためにサンゴの記録をまとめて保存することに決め、自宅を『珊瑚法界博物館』に改装したのです。ここでは多くの素晴らしいサンゴの作品が展示されています。またここを訪ねると、南方澳の土地の文化と色濃い人情で土地の温かみをより味わうことができます。
博物館は3階建てで、芸術スペース、人文故事館、カフェがあります。1階はマスターがおもてなしをしてくれるサンゴカフェとギフト展示販売コーナーです。2階は宝石サンゴの文化エリアで、南方澳の文化やサンゴ産業、宝石サンゴの生態・種類の違いについて紹介しています。3階はサンゴをコレクションしている博物館です。館長が数十年にわたり制作した宝石サンゴの緻密な彫刻作品が主に展示されており、じっくりと鑑賞する価値があります。サンゴがお好きな方は少なくとも30分はかけて、専門ガイドが南方澳の時代巡りをしてみてはいかがでしょうか。
【お知らせ】
チケットをお持ちの方はガイドサービスをご利用いただけます。団体のお客様は1週間前に電話予約をいただければ、 ツアー向けの専門ガイドサービスが手配可能です。